知らないと損するお金や税金ニュース2025年

Vol.103<出生後休業支援給付金>2025年4月から育児休業給付が手取りの10割に!

2025/04/22

今回のテーマは、

<出生後休業支援給付金>2025年4月から育児休業給付が手取りの10割に!』です。

このメールは1~2分程度で読み終わりますので、ぜひご覧ください。

2025年4月1日より改正雇用保険法が施行され、新たに「出生後休業支援給付金」が創設されました。

これにより、一定の要件を満たす場合には、従来の育児休業給付に上乗せされ、賃金手取額の10割相当額を受け取ることが可能となります。


□■━━━育休の給付率67%に13%が上乗せへ━━━■□

2025年4月1日以前の育児休業給付では、賃金の67%相当額が支給されていました。

賃金の額面金額に対し、税金や社会保険料などを控除したあとの手取額が8割程度と想定すると、育児休業給付は税金や
社会保険料が課されないことから、手取額の約80%が支給されることとなります。

今回創設された「出生後休業支援給付金」では、賃金の13%相当額が支給されます。
具体的な支給額は以下の通りです。

■支給額:休業開始時賃金日額×休業期間の日数(最大28日)×13%

従来の育児休業給付の67%と合わせると、賃金の80%に達するため、手取額の10割相当額が支給されることとなります。


□■━━━夫婦で14日以上の育休取得が必要━━━■□

出生後休業支援給付金を受給するためには、両親とも14日以上の育休を取得するなど、一定の要件を満たさなければなりません。

具体的には、父親の場合は子の出生後8週間以内、母親の場合は産休後8週間以内(育休開始後8週間以内)に取得する育休が対象となります。

▼詳しくはこちら
厚生労働省
2025年4月から「出生後休業支援給付金」を創設します』https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001477599.pdf


□■━━━まとめ━━━■□

2025年4月1日から改正雇用保険法が施行され、「出生後休業支援給付金」が創設されました。
一定の要件を満たす場合には、従来の育児休業給付に上乗せして支給され、賃金手取額の10割相当額を受け取ることが可能となります

Vol.102<雇用保険>2025年4月から失業保険の給付制限が大幅緩和へ!

2025/04/22

今回のテーマは、

<雇用保険>2025年4月から失業保険の給付制限が大幅緩和へ!』です。

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雇用保険法の改正により、2025年4月からは自己都合によって退職した場合の失業給付に関するルールが見直されます。

今回の制度改正では、失業給付を受給するまでの給付制限期間が短縮されることとなり、求職者はよりスムーズに給付を受けることができます。


□■━━━給付制限期間が1ヶ月に短縮━━━■□

自己都合による退職の場合、従来の失業給付では、7日間の「待機期間」に加え、2ヶ月間の「給付制限期間」が設けられており、受給開始までのタイムラグによる経済的負担が問題視されていました。

これらの課題を踏まえ、自己都合退職者がいち早く失業給付を受給できるよう、2025年4月以降については、現状の「2ヶ月」の給付制限期間が「1ヶ月」に短縮されることとなります。

これによってスムーズな失業給付の受給が促され、自己都合退職者の経済的支援や求職活動のサポートに貢献することが期待されています。


□■━━━さらに教育訓練を受けた場合は給付制限期間が解除へ━━━■□

今回の雇用保険法改正によって、給付制限期間が「2ヶ月⇒1ヶ月」に短縮されるだけでなく、一定の要件を満たす場合には、給付制限期間そのものが廃止されます。

具体的には、厚生労働省が定める教育訓練を離職日前1年以内に受講した場合や、離職期間中に受講する場合には、給付制限期間が解除され、7日間の待機期間のみで失業給付を受給することが可能となります。

▼詳しくはこちら
厚生労働省
『令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について』
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001293213.pdf


□■━━━まとめ━━━■□

2025年4月から雇用保険法が改正され、自己都合による退職の場合における給付制限期間が「2ヶ月⇒1ヶ月」に短縮されます。

さらに教育訓練を受けた場合には給付制限期間が解除されるなど、スムーズに失業給付を受給しやすくなるため、改正内容を正しく理解しましょう。

Vol.101<補助金制度>2025年度新設の「新事業進出補助金」とは?

2025/04/22

今回のテーマは、

<補助金制度>2025年度新設の「新事業進出補助金」とは?』です。

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2024年度補正予算に基づいて、2025年に実施される補助金制度が明らかになりました。

そのなかでも、コロナ禍で創設された「事業再構築補助金」が廃止され、その後継制度として位置付けられる「新事業進出補助金」が新設されており、注目を集めています。


□■━━━「新事業進出補助金」の概要━━━■□

新事業進出補助金とは、企業の成長や拡大に向けて新規事業への進出に挑戦する中小企業向けに創設された制度であり、詳細内容については下記のとおりです。

<対象者>
成長や拡大に向けた新規事業への挑戦に取り組む中小企業等

<主な要件>
以下の(1)~(4)のすべてを満たす3~5年の事業計画に取り組むこと
(1)付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上であること
(2)1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金(直近5年間)の年平均成長率以上であるなど、一定の水準以上であること
(3)事業所内の最低賃金が事業実施都道府県における「地域別最低賃金+30円」以上であること
(4)次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表等をしていること

<補助上限額>

  • 従業員数20人以下 :2,500万円(3,000万円)
  • 従業員数21~50人 :4,000万円(5,000万円)
  • 従業員数51~100人:5,500万円(7,000万円)
  • 従業員数101人以上:7,000万円(9,000万円)

※カッコ内は賃上げによる上乗せ特例適用後
※補助下限は750万円

<補助率>
1/2

<補助対象経費>
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費


□■━━━まとめ━━━■□

2025年度から「新事業進出補助金」が新設され、新規事業への展開に取り組む中小企業向けの制度がスタートします。

2025年3月中旬時点では募集スケジュール等は未定のため、申請を希望する事業者は最新情報を欠かさずにチェックしましょう。

Vol.100<生命保険料控除>令和8年の1年間のみ、一部の控除額を拡充へ

2025/04/22

今回のテーマは、

『<生命保険料控除>令和8年の1年間のみ、一部の控除額を拡充へ』です。

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昨年12月に令和7年度税制改正大綱が公表され、「年収の壁」に関する改正内容に注目が集まっていますが、そのほかにもいくつかの改正内容が盛り込まれています。

今回は、子育て支援の一環として実施が予定されている、「生命保険料控除の一部引上げ」について解説します。


□■━━━生命保険料控除とは?━━━■□

生命保険料控除とは、納税者が一般生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に、一定の方法によって計算した金額を「生命保険料控除」とし、所得から控除できる制度のことです。

現行の所得税法では、平成24年1月1日以降に締結した保険契約を「新契約」、それ以前に締結されたものを「旧契約」として、保険の種類ごとに下記に当てはめて控除額を計算します。

【新契約の場合】
◎年間の支払保険料:2万円以下
控除額:支払保険料の全額

◎年間の支払保険料:2万円超~4万円以下
控除額:支払保険料×1/2+1万円

◎年間の支払保険料:4万円超~8万円以下
控除額:支払保険料×1/4+2万円

◎年間の支払保険料:8万円超
控除額:一律4万円

【旧契約の場合】
◎年間の支払保険料:2.5万円以下
控除額:支払保険料の全額

◎年間の支払保険料:2.5万円超~5万円以下
控除額:支払保険料×1/2+1.25万円

◎年間の支払保険料:5万円超~10万円以下
控除額:支払保険料×1/4+2.5万円

◎年間の支払保険料:10万円超
控除額:一律5万円


□■━━━税制改正大綱による変更点━━━■□

今回の税制改正大綱によると、生命保険料控除のうち、「新契約」における「一般生命保険料」の控除額のみ、下記のように変更される予定です。

【新契約における一般生命保険料控除の改正案】
◎年間の支払保険料:3万円以下
控除額:支払保険料の全額

◎年間の支払保険料:3万円超~6万円以下
控除額:支払保険料×1/2+1.5万円

◎年間の支払保険料:6万円超~12万円以下
控除額:支払保険料×1/4+3万円

◎年間の支払保険料:12万円超
控除額:一律6万円

この改正については、23歳未満の扶養親族を有する納税者のみが対象となるうえ、令和8年の1年間限定で実施される見込みです。

また、介護医療保険料や個人年金保険料を含めた生命保険料控除の上限としては、現行の12万円から変更はありません。


□■━━━まとめ━━━■□

令和7年度の税制改正大綱にて、子育て支援の一環として、生命保険料控除の一部引上げが盛り込まれました。

ただし、令和8年のみの改正であることから、子育て支援としての効果に疑問が残る内容と言えるでしょう。

Vol.99<リース会計>2027年4月から本格導入される「新リース会計基準」とは?

2025/03/03

今回のテーマは、

『<リース会計>2027年4月から本格導入される「新リース会計基準」とは?』です。

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2024年9月、企業会計基準委員会は、現行のリース会計基準の改正案として「新リース会計基準」を公表しました。

新リース会計基準の導入によって、企業の経理処理の複雑化や財務指標への影響などが懸念されるため、新基準の本格導入に向け、対象企業は慎重な対応が求められます。


□■━━━新リース会計基準の概要━━━■□

新リース会計基準とは、2027年4月1日以後の連結会計年度や事業年度から導入される「リースに関する会計処理」のルールです。

新基準では、国際的な会計基準との整合性を図るために、これまでは賃貸借取引として処理していたリースも含め、原則として貸借対照表への計上が必要となります。

なお、新基準については、上場企業や大企業を中心に強制適用される一方で、中小企業などについては任意適用とされています。


□■━━━主な変更点と影響━━━■□

現行の会計基準では、リースは「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」に分類して会計処理を行いますが、新基準では、借り手はこれらを区分することなく、原則としてすべてのリースを「使用権資産」と「リース負債」として計上します。

【現行のリース会計基準】

◎ファイナンス・リース
貸借対照表
・資産の部:リース資産
・負債の部:リース負債

◎オペレーティング・リース
オフバランス
「資産としての計上は不要」

【新リース会計基準】

貸借対照表
・資産の部:使用権資産
・負債の部:リース負債

この場合のリースには、不動産の賃貸借契約なども含まれるケースが多いことから、新基準の対象となる企業では、既存の契約内容の確認作業に追われることとなるでしょう。

また、オンバランス化が原則となることで、自己資本比率などの財務指標が悪化する可能性も考えられるため注意が必要です。

□■━━━まとめ━━━■□

2027年4月から本格導入される「新リース会計基準」により、これまでのリースの概念が見直され、会計処理も大幅に変更されます。

特に強制適用が予定されている上場企業や大企業では、新基準が始まる前に既存契約の精査が必要不可欠であるため、計画的な準備を心掛けましょう。

Vol.98<相続時精算課税制度>申告書の提出漏れに要注意!

2025/02/10

今回のテーマは、

『<相続時精算課税制度>申告書の提出漏れに要注意!』です。

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令和5年度の税制改正により、生前贈与加算の対象が「3年→7年」に引き延ばされた一方で、「相続時精算課税制度」についても見直しが行われました。

改正によって相続時精算課税制度の利便性が向上したものの、改正後、初めての申告時期を迎える人が増加しているものと考えられるため、改めて必要な手続きを確認しましょう。


□■━━━令和5年度の改正内容をおさらい━━━■□

相続時精算課税制度とは、原則として60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫が贈与を受けた場合に、累計で2,500万円までは贈与税が課されず、相続時にまとめて課税を行う制度です。

令和5年度の税制改正によって、相続時精算課税制度でも110万円の基礎控除が新設されました。

これによって、令和6年1月1日以後の贈与については、年間の贈与額から基礎控除額や2,500万円の特別控除額を差し引いた残額に対し、一律20%の贈与税額が課税されることとなります。


□■━━━年間110万円超の贈与は申告書の提出が必要━━━■□

初めて相続時精算課税制度を適用する場合には、贈与税の申告期限(令和6年分の贈与税の場合、令和7年3月17日)までに「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。

また、年間の贈与額が基礎控除額の110万円以下であれば、贈与税の申告書は不要ですが、110万円超の場合には申告書の提出も必要となります。

万が一、申告書の提出を失念し、期限後申告となった場合には、2,500万円の特別控除額を控除できなくなってしまうため注意しましょう。


□■━━━まとめ━━━■□

令和5年度の税制改正により、相続時精算課税制度にも110万円の基礎控除が導入されました。

利用者の拡大が見込まれるなか、適用初年度にはミスの増加も懸念されるため、慎重かつ正確な申告手続きを心掛けましょう。

Vol.97<確定申告>定額減税の適用漏れに要注意!!

2025/02/10

今回のテーマは、

『<確定申告>定額減税の適用漏れに要注意!!』です。

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2025年が始まり、今年も確定申告のシーズンが近づいてきました。

個人事業主やフリーランスをはじめ、確定申告書を提出する人も多いでしょうが、確定申告の際には定額減税の適用漏れがないように注意しましょう。


□■━━━定額減税のおさらい━━━■□

定額減税は2024年限定の制度であり、所得税3万円と住民税1万円の合計4万円が減税されます。

同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合には、それらの家族分もまとめて控除されるため、家族構成によっては控除額が大幅に増加することとなるでしょう。

給与所得者の場合、2024年6月以降の給与から月次減税が行われており、年末調整を通じて正式な減税額が計算されます。

一方で、個人事業主やフリーランスは、所得税の確定申告の際に定額減税を適用することとなります。
なお、住民税については2024年6月以降の納税額から控除されています。


□■━━━確定申告書の記載欄━━━■□

確定申告を行う場合には、定額減税に関する内容を正確に記載する必要があります。
具体的には、以下の2つの項目について忘れずに記入しましょう。

確定申告書 第一表

㊹欄の「令和6年分特別税額控除」に、定額減税の対象となる「人数」と「減税額」を記入します。

▼詳しくはこちら

国税庁『令和6年分所得税及び復興特別所得税の手引き』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2024/pdf/001.pdf

確定申告書 第二表

同一生計の配偶者や扶養親族の分の定額減税を受ける場合には、「配偶者や親族に関する事項」欄に、その配偶者や扶養親族の基本情報を記載したうえで、「その他」の欄に定額減税の対象者であることを表す「2」と記入します。

▼詳しくはこちら

国税庁
『令和6年分所得税及び復興特別所得税 申告書 第二表【令和6年分以降用】』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/pdf/r06/01.pdf

□■━━━まとめ━━━■□

2024年分の確定申告書を作成する際には、定額減税の適用漏れがないように細心の注意を払う必要があります。

特に手書きで確定申告書を作成する場合には、記入漏れのリスクも高まるため、記入すべき欄をしっかりと確認しましょう。

Vol.96<税制改正>大学生の扶養控除は年収103万円⇒150万円に拡大!

2025/01/23

今回のテーマは、

『<税制改正>大学生の扶養控除は年収103万円⇒150万円に拡大!』です。

このメールは1~2分程度で読み終わりますので、ぜひご覧ください。

2024年12月20日、自民・公明両党は「2025年度税制改正大綱」を公表しました。

以前から世間の関心を集めていた「年収の壁」問題について、いくつか改正内容が盛り込まれましたが、現時点では国民民主党が主張していた178万円には達しておらず、今後も議論を継続するとされています。

それに対し、19~22歳の扶養控除については年収の壁が大幅に拡大されており、大学生の子を持つ家庭にとってはメリットの大きい改正といえるでしょう。


□■━━━大学生は年収103万円⇒150万円の壁へ━━━■□

これまで、扶養控除の対象となるのは「給与年収103万円以下」とされていましたが、今回の税制改正によって「特定親族特別控除」が新設され、19歳から22歳までの扶養親族については、2025年以降は「給与年収150万円以下」に引き上げられます。

主に大学生の子などがこの特定親族特別控除の対象となり、年収150万円以下であれば、これまで通り扶養控除を受けることができます。

今回の改正により、多くの大学生がより多くの収入を得ながら、親としても扶養控除の恩恵を受け続けることが可能となります。


□■━━━「150万円の壁」を越えても一定の控除は受けられる━━━■□

さらに「特定親族特別控除」では、年収150万円を越えた場合でもすぐに扶養控除の額がゼロになるのではなく、超過するほど控除額が徐々に減少する仕組みとなっています。

そのため、万が一大学生の子が150万円を超えて働いた場合でも、親の税負担が急激に増加しないような制度設計といえるでしょう。


□■━━━まとめ━━━■□

2025年度税制改正大綱が発表され、注目を集めた「年収の壁」に関する改正内容が盛り込まれました。

19~22歳の扶養控除については、年収150万円にまで範囲が拡大されることで、大学生がより多く働ける環境となります。

一方で、税金計算はますます複雑化しており、今後の年末調整手続きにも少なからず影響が及ぶことでしょう。

Vol.95<iDeCo>令和7年度税制改正で掛金限度額を増額へ!

2025/01/10

今回のテーマは、

『<iDeCo>令和7年度税制改正で掛金限度額を増額へ!』です。

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節税対策や老後に向けた資金準備の観点から利用されるケースの多い「iDeCo(個人型確定拠出年金)」ですが、政府は来年度の税制改正で掛金限度額の引き上げを検討しています。


□■━━━掛金限度額の引き上げ案━━━■□

iDeCoとは、公的年金を補完するための資産形成を支援するための制度で、老後資金の準備に用いられる私的年金制度です。

掛金拠出時には全額所得控除の対象となるだけでなく、その運用益は非課税とされており、給付金を受け取る際にも退職所得控除や公的年金等控除の対象となるため、節税メリットが期待される制度といえるでしょう。

税制改正に向けて掛金限度額の拡充が検討されており、具体的には下記のような引き上げ案が挙がっているようです。

<DB(確定給付年金)・企業型DCに加入している会社員>
現行:月額5.5万円-他制度の掛金(2万円が上限)
改正案:月額6.2万円-他制度の掛金

<DB(確定給付年金)・企業型DCに加入していない会社員>
現行:月額2.3万円
改正案:月額6.2万円

<自営業者等やフリーランス>
現行:月額6.8万円
改正案:月額7.5万円

<専業主婦(主夫)>
現行:月額2.3万円
改正案:月額2.3万円


□■━━━出口戦略が「増税」される可能性も━━━■□

iDeCoの掛金限度額が引き上げられることで、節税効果もますます高まり、制度利用者の拡大が見込まれます。

しかし、その一方で退職金課税の強化については、たびたび国会でも議論されており、将来的に退職金に対する増税が行われれば、iDeCoの給付金を受け取る際の「出口戦略」にも大きな影響を及ぼしかねません。

現行の税制に対する理解はもちろんのこと、将来の税制改正による増税リスクについても念頭に置いたうえで、制度を利用すべきかどうかを判断しましょう。


□■━━━まとめ━━━■□

利用者が拡大するiDeCoについて、令和7年度税制改正では、掛金限度額の引き上げが検討されています。

掛金増額によってさらなる節税効果が期待される一方で、将来的に退職金課税が強化されるリスクについても知っておきましょう。